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北信州のホステル稼業日誌 
ホステル&ゲストハウス経営にまつわるチョット面白い話を小出しに紹介して参ります。宿屋歴20年の中年オヤジの戯言(^^)
賃貸+「サクラ」を雇用するゲストハウス経営の厳しさ
3年もって本物。

などと語られるゲストハウス業界ですが、人気と思われる地方都市の宿でさえかなりの苦労を強いられている現状が見えてきました。


とあるブログに、譲渡案件についての記事を見つけました。

写真付きで紹介されていますので、宿名は伏せられているものの、特定は容易です。


====


●許可:旅館業許可取得済、飲食業許可取得済
※各許可は個人名義での取得のため、譲渡後、現状を踏まえて再取得する必要があります
●規模(構造):木造2階建て
2階のみでの営業(1階にスタッフルームのみ有り)、1階は別テナントが入っています
●面積:1階部分 15.43㎡、2階部分 115.49㎡ ※用途変更済
●部屋:共有スペース(BARスペース)、共有キッチン、トイレ3ヵ所、シャワー2ヵ所、ドミトリー2部屋、個室2部屋、スタッフルーム、わずかな倉庫スペース
●収容可能人数:15人(男女混合ドミトリー1部屋(6人部屋)、女性専用ドミトリー(5人部屋)、個室2部屋(最大2名利用)※旅館業としての許可は最大17名で取得
●賃料:12万円(税込)※光熱費、通信費、保険料、自治会費は別途
●契約期間:3年(自動更新)
●更新料:なし
●保険料:別途
●引き渡し時期:2019年11月~(現時点では10月末まで営業予定の為)
●引継設備
<BAR設備>コールドテーブル、2層シンク、1層シンク、冷蔵ショーケース、ガスコンロ、食器、カトラリー
<ゲストハウス設備>テーブル、座布団、各部屋エアコン、各部屋寝具、家具、照明器具、冷蔵庫、洗濯機、IHコンロ、調理器具、食器、無線LANルーター、電話機(FAX)、消火器、自動火災報知機、その他什器一式 (私物及び電子機器は撤去します)
<その他>HP、FB、インスタグラム、ツイッタ―、電話番号(IP電話)今のままのアドレスやID使用希望なら全部込でお譲りします。(サーバー代等別途ご自身でお支払ください)
●その他
・譲渡時に賃貸契約の名義変更を行い、敷金(賃料2か月分)の支払いが必要になります。
・現況引渡し。3年前に柱や梁以外は全て壊しリノベーション済みの為(トイレやシャワー等、全て新品を設置)、綺麗な状態かと思います。リノベーションは家主に事前に承諾を得れば可能。
●平均稼働率:40%(2018年度)
●希望売却価格:7,000,000円(什器等すべて含みます。応相談)
ゲストハウスとしては3年の営業実績があります。
現在は宿泊者と宿側のミスマッチが起きないよう、予約制限を設けていますが、制限を設けない営業を行えば稼働率は上がる可能性が高いと思います。
また、開業当初はBAR営業も行っていた為、譲渡後BARやカフェの営業も行えます。現況営業中のため店舗名は差し控えますが、ご希望の方には現地案内をさせて頂きます。
但し、より詳細な情報は、第三者機関の仲介を経て、秘密保持契約後に開示いたします。
ゲストハウスを経営された経験の無い方でも、希望があれば無償で運営ノウハウをお教え致します。
人物重視で、ホステル・ゲストハウス運営に熱意のある方を希望します。


====

わずか3年で辞めてしまわれるとは、やはりこの業界の厳しさを物語っています。

このお宿の定員は15名。年間稼働率40%ということは、単純に計算して

15x365x0.4 = 2190延べ泊
単価は3000円ですので 売り上げは 650万円となります。

いっぽうコストはざっとこんな感じで算出できます。

水道代 20,000 x 12 = 240,000
ガス 15,000 x 12 = 180,000
電気 30,000 x 12 = 360,000
灯油 100,000
リネン 300/人x 2190 = 657,000
人件費 8000 x 365 = 2,900,000
消耗品費 50,000
賃料 120,000 x 12 = 1,400,000
通信費 50,000
  
合計 5,937,000

差し引き 567,000

オーナーさんには、わずか500,000円しか残りません。

ここから保険料や、別宅に棲んでいることを想定すれば、その家賃が必要となりますので、これはもはやビジネスとは言えません。
借り入れを起こしていればその返済のためのお金も必要です。

ここでポイントとなるのは 賃料と人件費です。


多くのゲストハウスが、お客さんとの仲介役?サクラ?として重要な役割を担うスタッフを雇いますが、もしこれを自分でやれば290万円ものコスト削減になります。
一昔前までは「フリアコ」などと美味しいことを云って、タダ働きさせるのが常套手段でしたが、昨今なかなかそうも言っていられません。

さらに賃料が問題です。

もしこれが自己所有物件であるならば、建物の減価償却費を相当額計上することも可能です。
どういうことかと言えば、実際のお金の支出を伴わない金額を費用として計上することが可能になります。

なので、赤字決算であっても、手元にはお金は残るというケースが多いのです。

自己所有物件で宿を営む人の中には「減価償却費と(実際には支払わない)配偶者専従者給与で生活しているようなもの」という人が少なくはなく、ある意味宿泊業という自営業の特権とも云えます。

こうしてみていますと、賃貸に頼る小規模ゲストハウスがいかに厳しいかということがハッキリとしてくるのです。

京都や金沢では過当競争で1泊2000円台が当たり前と聞きます。

1泊2500円なら、年間3000人入れても売り上げは750万円です。

厳しすぎますよネ。


新規開業を夢見る人が判で押したように語る


オシャレで人と人が行き会う場所を作りたい


との理念は立派ですが、結局みんな二番煎じ。
そんなゲストハウスなど、何処にでもあるんですよ。

「つながり」

を売りにするということは、集まってくる人に頼ることを意味します。お客が沢山いることが前提となります。


そうしたキャッチを謳うのは一見カッコよさそうですが、常につながっていられるほど毎日毎日人でにぎわうゲストハウスなど、都市の一部の施設に過ぎません。

辺境部のゲストハウスなら平日は貸し切り、オフシーズンなら週末でさえポツポツ。
そんなことは日常茶飯事なのです。

つながろうにも繋がる対象がなければ、その時点で宿の理念を果たすことが出来なくなってしまいます。
繋がりたくない、生理的に合わない人だって沢山いますしネ(^^)

開業直後、概ね3年から5年くらいは話題性も手伝って一定の集客は可能ですが、それに目がくらむと痛い目に遭う可能性もあります。

実際、この売却物件は開業後3年しかたっていません。

何でもそうですが、流行っているうちは何を言っても正論で、カッコよく聞こえるものです。

しかしその実態の多くは、流行っているから、その後を追っている。
ただそれだけのことなのです。


人件費をかけて「サクラ」を雇うのは雰囲気づくりをするためにはある程度必要とされているようです。

でもね。

素泊まり宿の仕事なんて知れています。

掃除とゲストのおしゃべりの相手

本気で利益を上げようとするなら、よっぽどの高需要地域でない限り、自分で働いて利益を追求すべきかと思うのですよね。
もしこの仕事を生業にしようとするならば。

かつて

「食い逃げされてもバイトは雇うな」


のタイトルの新書がベストセラーとなったことがありますが、それにならい


「食いたければバイトを雇うな。自分で働け」


ということになろうかと思います。


さて、如何でしょうか?(^^)

毎日更新!北信州の宿・高社山麓みゆきの杜ユースホステルOFFICIAL SITE





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魚群のいない大海にコマセを撒き続けることの合理性
いま、空前のホステルブームです。

いままで相部屋など見向きもされなかったスタイルが、あちこちで群雄割拠状態です。

いずれもオシャレで、まるで時代の先端を行くかのような勢いです。

そこには20代後半から30代前半くらいの若い人が集い、日々楽しそうなシーンが繰り広げられています。

交流の押し付け(?)的演出が若干過ぎるような気もしますが、日々の暮らしで孤独を感じて交流を求めて旅に出ている人にとってはまたとない環境とも言えます。

もともとそうしたシーンはユースホステルの世界では日常茶飯事でありました。

ですが、昨今のユースホステルの大半はシニア層が占めていて、本来の「ユース層」はおろか、20代~30代のもっとも旅をしていそうな若年層さえみかけなくなりました。

しかしユースホステルはいまだに理念を追っています。

とある公益財団法人の記事


青少年は旅をしないとハッキリしているにもかかわらず、そこにターゲットを定めて運営することに果たしてどの程度のメリットがあるのか、民間の宿泊業者である私にとってはいまひとつハッキリしません。

それは例えるならば、魚群探知機を持たない漁船が、太平洋のど真ん中でコマセを無駄にバラまき、魚が獲れないと嘆くようなものです。

今、ユースホステル協会全体として、青少年団体の利用を獲得すべく舵を取ってきました。

ゲストハウスに集う個人の20~30代の若者層は二の次。そんな感じにも見て取れなくもありません。


確かにユースホステルの本場であるドイツでは学校団体の利用が非常に多いと聞きます。

しかし日本のユースホステルの多くは小規模ホステル。

なかなか団体利用には結びつかないのです。


小規模ホステルの多くは個人客を相手にしています。

今活発に動く30歳前後の「魚群」を捉えられていない現状を、もっと統計学的に理論的に分析し、負の要素を取り除き、動きにでることが求められていると思うのです。

しかし志向がバラバラの肥大化した組織にとってはなかなかそれさえもままならないのかもしれません。

このまま死に絶えてしまうわけにはいかないのですが、果たして(笑)